今日は~お仕事の話☆
この仕事をしていて、嬉しいことといったら、やっぱり病気の子が良くなっていくこと。これに尽きます(*^ー^*)
良くなるにつれて、その子の表情も明るくなってくるし、その子を見守るご家族の表情も明るくなって、そんな表情を見るたびに、よかったなぁ~って幸せに気持ちになります。
今日は、ちょっと違うけど、すごく嬉しかったこと。
切なくもあるけど、すごくすごく嬉しかったこと。
子犬の頃から、ずっと病院に通ってくれていたバーニーズの男の子Aちゃん。
大きな体でも、とても穏やかで人懐こくて、どこか人間っぽいところがすごく可愛い子でした。
そんなAちゃんに異変が起きたのは、去年の春。
急に高熱が出て、歩けなくなりました。
いろいろな検査の末、診断の結果は・・・神経にできた悪性腫瘍。
抗がん剤や免疫療法のかいもなく、Aちゃんは1週間後、虹の橋を渡ってしまいました。
ご家族の憔悴ぶりは、とても痛々しかったし、私達もショックで悔しかった。
なんでAちゃんが?
どうしてAちゃんが、そんな病気にならなければならなかったの?
そんな思いで、悔しくて悲しくてたまらなかった。
ワクチンのお知らせハガキを作る時に、去年のAちゃんの名前を見ると悲しくなったし、AちゃんのカルテNo.は、しばらく消すことができなかった。
飼い主でない私がこんなだから、Aちゃんのご家族の気持ちは想像できないくらい辛いものだったと思います。
ご近所の方の話で「さみしい思いしてるみたいよ」と聞いて、とても心配でした。
頭のどこかには、いつもAちゃんのこと、Aちゃんのご家族のことがありました。
それが、今日。
うちの病院は、患者さんがいらっしゃるとドアのアラームが鳴るのですが・・・アラームがなったので受付へ出て行ったら、そこにはAちゃんのご家族がいらっしゃいました。
腕に小さな子犬を抱いて。
「これからまたよろしくお願いします。」と笑顔で言われたら、なんだかもう・・泣きそうになりました。
悲しみを乗りこえて、この子との新しい日々を始められたのです。
Aちゃんのことを忘れる、のではなく、Aちゃんと過ごした日々を大切にして、迎えた子犬は黒柴の男の子です。
一見、全然違う犬種だけど、Aちゃんとの日々をこの子が受け継ぐようなAちゃんとそっくりなマロ眉の小さな男の子。
お父さんの大きな腕に抱かれた小さな体に、Aちゃんの笑顔を見た気がしました。
よかった。
ほんとうによかった。
私の中の何かが穏やかに溶けていった気がしました。
私は一時期、みんなとの別れの時がフラッシュバックしてきて、どうしようもなく落ち込んで無気力になった時がありました。たくさんのペットロスが一気に押し寄せてきたような感じでした。
悲しみを癒してくれるのは、時間だったり、新しい命だったり、それは人それぞれだと思います。
そして、飼い主さんが悲しみを乗りこえたとき、私も看護師として、はじめて癒されるのかもしれません。