ワクチンで予防できる病気を紹介しますp(^^)q
ワクチンはメーカーさんによっていろんなものが出ていますが、ここではうちの病院でおいてあるものを例にあげてみます。
まずは犬のワクチンから。
【5種混合ワクチン】
ジステンパー:発熱、食欲不振、膿のような鼻水、ひどくなると後躯マヒなどの神経症状(回復しても後遺症として残ることがあります)など。直接接触感染のほかに、空気感染もします。感染力が強く、死亡率も高いおそろしいウィルスです。
パルボウィルス感染症:子犬が突然死する心筋型と、下痢・嘔吐を示す腸炎型があります。腸炎型はトマトジュースのような血便を示すことが多く見られます。感染力が非常に強く、死亡率も高いうえに、ウィルス自体がホコリなどに混じって長期間生存することができる非常に厄介なウィルスです。消毒液も限られたものしか効きません。
犬パラインフルエンザ:気管支炎や肺炎などを引き起こし、アデノウィルス2型などと混合感染して、呼吸器疾患(ケンネルコフ)をおこします。激しい咳が特徴です。
アデノウィルス1型感染症(犬伝染性肝炎):発熱、食欲不振、嘔吐、下痢、目(角膜)の白濁など。子犬では突然死することがあります。
アデノウィルス2型感染症:肺炎や扁桃炎などの呼吸器病がみられます。
【7種混合ワクチン】
上の5種+2種類の病気で、7種になります。
レプトスピラ症・黄疸出血型:黄疸、嘔吐、下痢、歯茎からの出血、血便などが見られます。
レプトスピラ症・カニコーラ型:嘔吐、下痢、腎不全などを引き起こします。
【9種混合ワクチン】
7種+2種類の病気で、9種になります。
レプトスピラ症・ヘブドマディス型:上の2つの型と同様の症状で、腎炎と肝炎を引き起こします。
犬コロナウィルス感染症:嘔吐、水様性の下痢が見られます。潜伏期は1~2日で、比較的、症状は軽く多くは回復します。
レプトスピラ症は、他の伝染病がウィルス感染なのに対し、スピロヘータという細菌によって感染します。犬だけでなく、人や他の動物にも感染する人獣共通感染症」です。
病原体は尿中に排泄され、その尿に接触することによって感染します。ネズミの尿も感染源となります。非常に死亡率も高く、いくつかの型が混合感染することもあります。
うちの病院で診た例では、黄疸出血型・カニコーラ型・ヘブドマディス型の3種類、全てが陽性だったことがあります。
猫のワクチン
【3種混合ワクチン】
猫汎白血球減少症:猫のパルボウィルスが病原体です。発熱、嘔吐、食欲不振、血便、下痢、血液検査で白血球の極端な減少が見られます。
猫ウィルス性鼻気管炎:「猫の鼻カゼ」と言われます。発熱、鼻水、くしゃみ、目やにが見られます。
猫カリシウィルス感染症:「猫のインフルエンザ」と言われます。ウィルス性鼻気管炎に似た症状のほかに、口の周りや舌に潰瘍ができたりします。
【5種混合ワクチン】
3種+2種類の病気で5種になります。
猫白血病ウィルス感染症(FeLV):白血病やリンパ腫を引き起こしたり、免疫力が低下するので、いろいろな病気を引き起こしたりします。
感染の予防はできますが、感染して一度発症すると完治はできません。
クラミジア感染症:粘着性の目やにを伴う結膜炎を示します。鼻水やくしゃみ、咳も見られます。
子犬子猫の時は、確実にしっかりした免疫をつくるために生後2ヶ月をすぎたら1ヶ月おきに2、3回接種します。
その後はワクチンの効果は、ほぼ1年で切れてしまうので、
毎年1回接種してあげましょう。